最近、複数のクライエントさんから、当方にご相談にきてからムーミンを読んだりグッズを買うようになったという声を聞きました。(この一文の記載は該当のクライエントさんたちの許可を得ています。) カウンセリング中にお勧めなどはしていませんが、ブログをご覧になっていただいて興味を持たれるようです。...
前回はフィリフィヨンカさんの物語を通じ、“女性らしさ”から解放されるテーマとして解読しました。 それに続き、ヘムレンさんが“男らしさ”から解放され自分らしく生きていく過程を考察したいと思います。...
今回は複数作品からの引用もあるため、少し長いブログです。 1.フィンランドの女性活躍...
今回は、出番は少ないのに印象的で不思議な魅力を持つキャラクター、トゥーティッキについてです。日本語訳では、児童向けにしたせいか、おでぶさんとかおしゃまさんと訳されています。この訳はちょっとなあ、と思うので、アニメで呼ばれていたり公式サイトで使われているトゥーティッキ(Tooticki)という本名(?)に統一します。...
いきなりですが、ムーミントロールは悲恋の少年です。複数の作品を通じ、何度もふられています。彼は感受性が豊かで空想好きなので、少しの手がかりやきっかけからイメージをふくらまし相手に憧れを抱きやすいのです。しかしそういう憧れから始まる恋は成立しないことが多い。ムーミンも悲しい恋を経験していきます。...
最近“ポテサラ論争”というのがありましたが、お母さんというのは本当に大変です!
これまで相談してきたお母さんは、多くの場合、仕事に加え家事、育児、教育、のメイン担当者になっているからです。男性ももっと家事・育児をすべきなんですが、しませんねえ。むしろ夫育(?)もしなければいけなく、さらに女性の負担になっているケースも多々あります。在宅ワークでもお母さんにより負担がいっているようです。
母性の権化のようなムーミンママも、その存在が不安定になるエピソードがあります。パパのわがままから住み慣れた環境から離され、子どもも自立し、パパも自分のロマンで手一杯という状況で、ママもママらしさを失っていきます。
その悩みと癒しの過程を通じ、母親の大変さをその支援の必要性について考えます。
空想、想像、ファンタジー、イメージetcを重視する心理療法と軽視する心理療法があります。前者の代表は精神分析、ユング派、認知行動療法、後者の代表は森田療法、マインドフルネス、です。仏教においても、密教と禅の違いがそれに当たります。ムーミンにおいても、空想の功罪について語られるエピソードがあります。
ようやく主人公ムーミントロールについての考察です。ムーミンはシリーズを通じ、まじめで繊細、傷つきやすい、空想好き、自己中な子どもから、自分の価値観の否定を通じ傷つきながら成長して、癒し手となっていきます。
写真はトーべ・ヤンソン生誕100周年に訪問したムーミンワールドでのムーミントロールです。
ムーミンキャラクターのなかでも大人気のミイについて考察しています。
ミイは神話や昔話、現代の文学や映画、漫画にもよく登場する“トリックスター”だと思います。
<トリックスターとは>
<ミイVSムーミントロール>
<ミイVSムーミンパパ>
<ミイと空想>
<ミイの小ささ>
<ミイの癒しの力>
*写真は、ヘルシンキからタリンへ向かうフェリーの免税店で買ったミイがプリントされたヴィクトリノックスナイフです。
今回はムーミン谷のジェンダー論です。ムーミンパパは父親らしく、男らしくいようとしますが、それがパパを苦しめます。世間でいう“らしさ”を無批判に受け入れ、自分の弱さを隠すために男らしさにとらわれてかえって自分らしさを失っているムーミンパパが解放されるには、海という自分が理解できない自然との深いかかわりが必要でした。
レインボーファミリーで育ち史上最年少の女性首相を輩出したフィンランドですが、かつてはジェンダーにとらわれていました。ムーミンパパの物語は、それまで信じていた価値観を失う苦悩とそれを乗り越えて癒されていきます。
またDVや教育虐待についても簡単に述べています。
写真は7月下旬、夜10時45分に私が撮影したヘルシンキ大聖堂と元老院広場です。夏は真夜中まで明るいフィンランドでは、昔はランプは秋からしかつけません。物語の冒頭、その点灯時期を決めるのは父親なんだとムーミンパパはこだわっています。